政治と軍事 2015 7 26

 人民解放軍の大将がアメリカ陸軍大将に対して、
「我々は、上海が核攻撃を受けて消滅しても戦争は続けるが、
アメリカは、ロサンゼルスが核攻撃を受けた瞬間に、戦争はできなくなるだろう」と、
テーブルをぶっ叩きながら、豪語したという。
 国によって、人間の命の価値は、大きく違うものですが、
人民解放軍にとって、上海が消滅しても、
蚊に刺された程度の痛みしか感じないのでしょう。

書名 巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない
著者 北村 淳  講談社

 著者は、アメリカから巡航ミサイルを調達すれば、
中国や北朝鮮に対する「抑止力」になると主張します。
 確かに、これは、軍事的に考えれば、合理性があります。
しかし、政治的に考えれば、アメリカが日本に対して、
巡航ミサイルを売却するかは、わからないものがあります。
 アメリカでは、政界や産業界、さらに学会、マスコミに至るまで、
親中派が多く、なかには、大きな政治的影響力を持った人まで存在します。
 このようなことを書くと、驚く人がいますが、
アメリカには、フランクリン・ルーズベルト政権時代に、
ホワイトハウスや国務省が、共産主義者によって乗っ取られていた時代がありますので、
(以下のベノナ文書を参照)
このようなことは、珍しいことではなく、驚くことではありません。
言わば、アメリカの「日常」と言えるでしょう。
 仮に、アメリカから、巡航ミサイルを調達できても、
中国が日本に向けて発射できる巡航ミサイルは、1,000発以上あり、
数量で負ける可能性があります。
 著者が指摘するとおり、
中国製というと「すぐに壊れる」というイメージがありますが、
巡航ミサイルに限って言えば、
中国製の巡航ミサイルは、アメリカ製の巡航ミサイルと同等か上回るものがあります。
 なぜならば、中国は、巡航ミサイルに関しては、
国力のすべてをつぎ込んで製造しているからです。
 本来であれば、このような意欲は、自動車や家電製品につぎ込めば、
素晴らしい中国製品ができるのですが、
中国は、毛沢東以来の伝統で、軍事優先となっています。
 このような国が日本の近くに存在する以上、
日本も、中国式に改めるべきでしょう。
 つまり、日本は、国力のすべてを自動車や家電製品につぎ込んできましたが、
今度は、国力のすべてを軍事につぎ込むという「中国方式」に変更するのです。
 日本人は、プライドが高いから、中国の真似をするのが嫌かもしれませんが、
軍事や外交戦略において、中国は優れたものがあります。
 そういう中国の優れた部分をそっくり真似をするのも、
日本の国防にとって、有効なものです。

「べノナ」文書(米軍諜報部が解読した旧ソ連情報部の秘密文書)
(以下は、ウィキペディアから引用)
 1995年、ベノナ(ソ連暗号解読プロジェクト)が機密扱いをはずされ、
ソ連の暗号通信の内容が明らかになった結果、
ソ連のスパイ行為は、マッカーシーの見積もりよりも、
さらに大規模なものだったことが判明している。
 ベノナは、特にソヴィエトのスパイに色々な方法で協力した、
合衆国の市民、移民、そして永住者を含む少なくとも349人の人々について言及している。
 マッカーシーは、ベノナ秘密情報への接触はなく、
彼の情報は他の情報源からだと信じられている(FBIのフーヴァー長官からだという)。
 ベノナは、マッカーシーにより調査された、
ある人物達が、事実、ソ連のスパイであることを明らかにしている。
 たとえば、メリー・ジェイン・キーニーは、
マッカーシーにより単に「共産主義者」とされているが、
実際には、彼女も、その夫もソ連のスパイだった。
 マッカーシーにより名指しを受けたロークリン・カーリーは、
ルーズヴェルト大統領の特別顧問だったが、
ベノナによりソ連のスパイであることが確かめられた。
(引用、以上)
 マッカーシー(1908〜1957)は共和党の上院議員で、
1950年に国務省に潜む共産党員の名簿を入手したと発言し、
一躍、世界の注目を浴び、
彼の反共産主義運動は「マッカーシズム」と呼ばれました。
(参考文献 ジョセフ・マッカーシー著「共産中国はアメリカがつくった」)






































































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